【ネタバレあり】舞台・ナポリの男たち 感想

 

 

「舞台になります」という告知を聞き、サイトがオープンし、キャストが発表され、役者さんのツイートがTLに流れてくるようになり、グッズが公開され、チケットを申し込み、その全てが目まぐるしくあっという間の出来事で、正直その間ずっと「舞台とは……?」という気持ちが消えなかった。混乱したまま観に行った。

 

※以下、たくさんのネタバレがあります。ネタバレ平気な方、観劇済の方のみお読みいただけたらと思います。
※すでに記憶が曖昧なので、順番がおかしかったり いろいろと間違っているかもしれないです。

 

 

 

 

 

 

 

 

・入場まで
13日のソワレ。少し早く会場に着き、物販に行く予定がなかったので近くのお店でコーヒーを飲んでいたんだけれど、隣の席の人が机に置いたショッパーに「舞台・ナポリの男たち」と刷られているのを見てしまった。「このショッパーを持っている人間、みんなオタク……?!」改めて店内を見渡すと、知らず知らずの間に同じショッパーを持っている人たちに囲まれていることに気付いたのだった。(アハ体験)

 

・開場〜開演まで
劇場内では過去の歌回で使用された曲が「イオンの駐車場で流れてるやつ」みたいなアレンジになって流れていた(特に「スリーピング・シティ」のイオン感が半端なかった)。
影アナが男たち(らんたん→すぎる→hacchi→shu3)。「激しい明滅」がちゃんと言えなかったり「途中休憩は、ございません!」で謎に語気が強まったりするshu3……。「ご熟読」ですぎるが噛みかけた時に周りのお客さんが「草」となっていて、本当に視聴者なんだな〜と実感した。
開演まであと10分くらいになったところでふと顔を上げるとスモークが焚かれ始めていてわくわく。さっきとは違う内容の影アナが流れる。らんたんの「ナポリの男たちch特別回、にご来場いただき……」の「特別回」の声に若干の戸惑いがあって笑った。
開演直前にhacchi likes apples.が流れ、会場小笑い(もっと沸いてたかもしれないけどメモに小笑いって書いてあってじわじわ来てる)。

すでに見えている舞台セット、カレンダー等でおなじみのオレンジと赤の放射線の背景がぶちぬかれたような形になっていて(ぶち抜きのところに映像が映る)、2次元から飛び出してきましたよ〜ってコンセプトが明快で良い。

 

 

・前座
パペットになった男たちが登場し(下手側:らんたん すぎる、上手側:hacchi shu3)、キャストさん2名の自己紹介動画を観てトークするというもの。このキャストさんが日替わりなのだろうな。パペットが本当に可愛くて可愛くて…欲しくなってしまった……。黒子さんのパペットの動かし方にもなんとなく個性があって、hacchiとshu3とらんたんが割と客席側を見て個々に喋っているのに対して、すぎるパペットはめちゃくちゃらんたんの方を見て喋っていた…。動きも大きかった。

 

・OP
役者さん達がドワーっと出てきて元気に踊って歌い出し、正直、本当に正直な気持ちを打ち明けると「困惑」だった。このタイプのエネルギーを男たちから受けたことがなかったので。あ、今私は舞台を観に来てるんだ……!と気を引き締める。らんたん♪すぎる♪hacchi♪shu3♪って名前が歌詞になってるような歌だったと思うのだけれど、この状況がシュールすぎて途中から普通に笑ってしまった。(この4人の名前がミュージカルの一部になることあるんだ)

 

・雄すぎ
hacchiによるねじねじの前日譚導入が新たにプラスされて始まる。
蘭太郎役の方の芝居が好きだったな……。蘭太郎がらんたんのシンジ君じゃなくなったら耐えられるかなって(泣かせ脚本すぎたらどうしようと)心配していたのだけれど、細かい笑いどころがたくさん足されていてちゃんと「"男たちの"雄すぎの舞台」が根っこにある…!と思った。骨組みとなったhacchiの筋書きが王道なので、舞台としても見やすくて、個人的には4本の中でいちばんすっと見入ることができたかもしれない。一生分の博多弁を浴びた日でもあった。
前にch動画での雄すぎに対して「つらくなったら、すぐに俺を呼ぶんだぞ」を「どげんもこげんもいかんこつなったら」と表現しているshu3が良かった という感想を呟いたことがあって、今回役者さん版のどげんもこげんも…が聞けて嬉しかった。本当に一生分の博多弁を浴びた。

 

・どす恋!
女子小学生の物語を大人が演じるというちぐはぐさが良い意味で"虚構"であって、これは大正解と思ったな。三人ともきらきらしてて可愛かった……。(追記:配信で(寄りで)観てたらあまりにも可愛くて"これはもうリアル"って感情まで行った)途中マナちゃん役の方が素に戻って笑ってしまって台詞を言い直すシーンがあったのだけれど、こういうのを挟んでくれる感覚、ガチるところと「これ今なにしてんの?」って笑いを往復してくれる感覚が舞台チームの皆さんにあることが嬉しかった。

EDの曲がすぎる作詞とのことで、覚えやすいように「ひふみよいつむななや…♪」って数え歌がベースやねんってウキウキ話してくれてたの最高だったな。多分今の若い子にひふみよいつむななや…は通じない。

 

・スナックしゆみ
こんなに膝下長い人いるんだ………。役作りのためにストイックにトレされてるというのが納得のプロポーションで、素晴らしかった……。
物語は少しほろ苦くて、一貫してしゆみがメインを張らない、聞き役に徹しているところが良かったと思う。
このあいだのマイクラ配信の時に、明らかに自然発生でなく植えられたであろう花々を見て「ここの花って別にゲーム上必要なものじゃなくて、ただここにあったらきれいって気持ちで植えられた花なんだろうな」と思ってちょっとじーんとしたことがあって(現実の道端のパンジーとかを見ても最近そう思う)、脚本にそういう感覚とリンクする部分があってちょっとじんわり来た。

ムスカリ
同じ曲を連続で聞かされる地獄がちゃんと再現されていて良かったな。実はch動画の時点では若干not for meかも、と思っていて(本当に個人的な感覚の話です)、あんまり見返すことのなかった回だったのだけれど、今回で「こういう話だったのか……!」と理解できたように思う。
動画ではソロだった「鳥になりたい」がハーチェスとシュー王のデュエットになっていて、「〜〜〜 セピア色の日々〜」と過去に思いを馳せる方にはセピア色の照明が、今の状況を思って苦しんでいる方にはムスカリ色の照明が交互に当たってたの、好きだった。大サビ?ではこの2色が混ざって赤っぽい"紫"になったところ、多分そこまでの意図はなかっただろうけれどグッと来たな……。
シュー王が喋っている途中で幕がズン!と降りてしまうギャグが要所要所に挟まっていたのだけれど、シュー王が刺されてしまい、最期の言葉を言い切れずに幕が降りてしまった時はまた違うニュアンスを感じることができて「上手いな〜」と思った。

 

・終劇
全ての演目が終わってから、全キャスト(+怪人のガワを着た役者さん)が勢揃いして涙塩分を歌い踊っていたのだけれど、OPの時と同じ「困惑」の感情が襲ってきて情緒がバグってしまった。普段男たちの企画からは、その企画内容に関わらず「なにかしらの陰」を感じていて、今回その成分が完全に排除された状態で涙塩分を聴くことになり、「歌詞は確かに意味不明なのに、目から入ってくる情報が明るすぎる」みたいなバグを起こしたのだと思う。もうこれは男たちの湿っぽい部分に惹かれて会員になった身としては仕方のない混乱だったと思っている。この混乱、「妙な経験をしたな…?!」という気持ちごと楽しみたい。

終わってみると、思っていた以上に男たちが喋るパートが多かったり、らんたんの殺陣(雑魚)があったり、色々関わってこの舞台になったんだな〜という感慨があった。まさに「ナポリの男たちch 特別回」という感じだった(目に塩が〜のジングルから始まったし)。
同時に、プロの方が関わって、全力で振り切って演じてくださらなかったらこういう"舞台"の形にならなかっただろうなという気持ちも勿論あって、このよくわからない化学反応を目の当たりにできて、貴重な経験をしたぞ!という満足感がある。

ナポリテンに行った時、大人が文化祭のリバイバルしてるのを見せてもらったような気持ちになったのを覚えているんだけど、今回もプロの方が関わっているのに超ポジティブな意味合いでわちゃわちゃした"文化祭感"がところどころにあって、ここにchの小ネタ入れたら面白いかな?って思ってくださったんだろうなって気持ちを沢山沢山感じて、それがすごく嬉しかった。

今も正直「舞台ってなんだ……」という混乱から抜け出したわけではないけれど、楽しかった。オンラインも買おうかな……。フォロワーと一緒に観たらもっと楽しいだろうなと思う。

 

【配信を観ながら思ったこと】
※ふせったーにタグ併記するの忘れてて消したツイートなどここにまとめておきます

・雄すぎ/寄りで映されるM字嫌すぎて笑った
 ・どす恋/懸賞幕で「ナポリの男たち」が出てきた時、実家のような安心感をおぼえて無意識に拍手でかくなってしまったしちょっと泣きそうになったの、今思うと舞台に対して混乱と緊張感持ちすぎてて笑う
・スナックしゆみ/横浜哀恋慕歌い終わってからのしゆみの口パクの「ありがとうございました」がちゃんと「ありがとうございまし…タッ」だったの好きだ〜
・スナックしゆみ/劇パートが終わってshu3が枯れた花の話してる時「花」のイントネーション一瞬迷子になってたの、この告知ツイート思い出して笑った

 

・いろいろ細かい所見返せて嬉しかった。ありがとうございました!